労働法関係の本を最近読んだので、備忘録も兼ねてまとめてみます。
ほぼ自分用のメモになるが・・。
通常の解雇について(日本の会社がクビになりにくい理由)
日本の労働は長期雇用慣行が根付いているため、解雇に関しては厳しい見方をされる。
労働法61条によると解雇は
(1)客観的に合理的な理由を欠き、(客観的合理性)
(2)社会通念上相当であると認められない場合(社会的相当性)
権利の濫用として無効になる。
これを解雇権濫用法理というが、この解雇権濫用法理は上の(1)、(2)を同時に満たす必要がある。
解雇の合理的な理由としては、
①労働者の能力や適格性が低下した(個人的な事故で働けるような状態でなくなった)
②勤務態度が著しく悪い(遅刻や無断欠勤等やたら多いとか)
③経営上の必要性
という3つのタイプがある。
そして、これら3つのどれかが仮に適用されたとしても、社会通念上相当なものとして認められなければならない。
この社会的通念上相当なものというのが、とにかく簡単に認められるものじゃない。日本の会社が解雇しにくい理由はここにある。
上の客観的に合理的な理由を見つけたとしても、それがどの程度酷いものなのか、そこまで酷いことなのかといったようなことを厳しく見るわけです。
私の場合、いくら仕事ができなくても、解雇を避けるための努力として他部署に配置転換したり、それでも難しいなら本人の能力に合わせ、できる仕事を与えたり、そういった努力が求められるわけです。
過去の裁判の判例では、タクシー運転手が視力低下で二種免許を失い、能力低下を理由にクビになったが、会社がタクシー運転手以外の仕事を与えるのは不可能ではないとして、解雇が無効になったものがある。
またにおいては、業績悪化で紡績部門が閉鎖し、解雇された労働者も、紡績部門継続により破綻が避けられない立証の主張や労働組合に対する説明不十分、そして解雇を避ける努力等も見られなかったとして、解雇権の濫用として解雇は無効にされている裁判の判例もある。
解雇権濫用が認められると、使用者と労働者の雇用関係は継続しているとされ、違法な解雇によって働けなくなった期間も賃金の支払いを命じられたりと日本社会において解雇はとても厳しく見られている。
整理解雇について
また、整理解雇権濫用法理というもがある。
整理解雇は営業不振による人員整理で、労働者削減を目的に解雇が行われることであるが、
整理解雇権濫用法理には、
(1)人員削減の必要性、
(2)解雇回避の努力、
(3)人選の合理性(恣意的な人選は認められない)、
(4)手続きの妥当性(労働者に対する説明は十分か)
の4つの観点から、解雇の合理性、相当性をより具体的に見るものである。
整理解雇であっても、これらの手順を踏まずに解雇を実施することは解雇権の濫用として無効にされるので、
事業場や職務が限定された地域職のような労働者なんかは、4つの観点をすべて当てはめることは少なく、(1)~(4)のいずれかの観点でどれか1つまたは2つを見て判断されるという形になっているらしい。
人員削減の必要性に疑問があったりなどの解雇そのものの合理性が疑われた場合、解雇は無効になっている。
正社員にこだわり、資産形成してセミリタイアを目指すか、何が何でも労働地獄を避けるか・・。
ま、こういうのは解雇権濫用法理については誰しもが知っている内容だから、今更まとめることでもないと思うが、せっかく本を読んだので内容をアウトプットする意識で書いてみました。
もしかしたら間違った解釈なんかもあるかもしれないですが。
とにかく窓際やるなら、この辺は抑えておくのが無難なのかな。
まあ、最近は実力主義を謳う会社も多くなってきて、窓際みたいな無能者は最低レベルの給料しかもらえなくなってきつつありますが・・。
私なんかもそうだし。
それと大手企業しか窓際の部署なんて無いだろうし、中小企業なんかに就職すれば、労働法なんて軽視され、法律を守る会社も少ないだろう。
窓際として生き残っていきたいなら、大手に就職するしかないというのが厳しい現実だろう。
ま、でも就職なんかしなくても、この日本ならフリーターでもやっていけるだろうし。
最悪生活保護に頼ることになるかもだが、生活保護を受けるにはそれなりの覚悟が必要だとは思う。
水際作戦や、強烈な就労支援の地獄、保護辞退届け強要による硫黄島作戦とかそんなのに耐える覚悟が必要だろうね。
ま、でも案外簡単に乗り越えられるかもしれないが、生活保護を受けるにも知識と勉強、ある程度の忍耐が必要でしょうね。
労働地獄に比べたらマシだとは思うけど。