ヘタレな無職の日記

仕事ができず窓際に追いやられた無能リーマンが節約と投資、副業で資産形成し、31歳で退職しました。これからは少しの小遣い稼ぎ(Uberとか)と家庭菜園、資産切り崩しで生きていきます。

ダメリの中に見る「悪の凡庸さ」

私は大学時代ガソリンスタンドでアルバイトをしていた時期がありました。セルフのガソリンスタンドではなくフルサービスの店で働いていました。

ブラックバイト先での出来事

私がアルバイトしていたガソリンスタンドは世間でいうブラックバイトのようなとこで、少しミスっただけでめちゃくちゃ怒鳴られるし、パワハラも当たり前、下手すりゃ暴力もありました。

私は当時からどんくさい人間だったので、必然のごとく標的となり、ミスしては怒鳴られ、萎縮し、さらにミスを併発しと悪循環にはまった日常を送っていました。

ある時こんな事がありました。確か12時間労働をやらされて、退勤する30分前に起きた出来事です。

相変わらず怒鳴られまくりで、へとへとに疲れていた私は退勤の30分前になり「もうすぐ終わる」と思っていたら、最悪なミスをしてしまいました。

ガソリンのハイオクとレギュラーを入れ間違えたのです。客に指摘されて初めて気づきました。

幸い入れ間違えても問題ない車でしたが、私は上から呼ばれ、足に蹴りを入れられ、ぼろくそに怒られました。

先輩は怒った後、私に何かを命令しました。昔のことなので何を言っていたのか忘れましたが、私はガソリンを入れ間違えた車の客に料金を請求しろと言ってるように聞こえたので、勘違いしたままそれを遂行してしまいました。そんなことしちゃいけないんじゃないのかと一応疑問には思ってましたが

案の定客は怒り、「そっちが入れ間違えたのに料金を請求するのか!!」と激昂。

慌てて先輩が駆けつけてきて、「お金はいりません」と言って客に謝罪しました。私にも「そういうことを言ったんじゃない」と先輩は言いました。

本当は何が言いたかったのか、忘れちゃいましたが

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思うこと

ハンナアーレントっていう政治哲学者が説いた「悪の凡庸さ」じゃないけど、人間思考が止まるとやっちゃいけないことでもやっちゃうんだなぁ。

※「悪の凡庸さ」の詳細はこちら

だからこそ思考し続けるべきだとかアイヒマンを見て「悪の凡庸さ」を説いたハンナさんは言いますが、精神的に追い詰められているときも同様、思考が停止し、上から間違った命令をされていてもそれにあまり疑問を持たず従っちゃうんじゃないか。

上で述べたように先輩からガソリンを入れ間違えた車の客に料金を請求するよう命令されたと勘違いしたときに、そんなことしちゃいけないんじゃないのかと疑問に思うだけじゃなく、先輩に聞き返すべきだった。でもできなかった。気が動転しすぎていて・・。

アイヒマンの場合は追い詰められていたというわけでなく、ただ上の言うことに黙って従っていたという感じではあるが。

でもまあ、私が経験したこういうのも「悪の凡庸さ」で悪は誰の中にもあるということを実証しているのかも。

大げさかもしれませんが、ちょっとひやっとしました。