ヘタレな無職の日記

仕事ができず窓際に追いやられた無能リーマンが節約と投資、副業で資産形成し、31歳で退職しました。これからは少しの小遣い稼ぎ(Uberとか)と家庭菜園、資産切り崩しで生きていきます。

生体内で何が起きることで体を動かすことができるか??(「代謝学 ミトコンドリアが分かればすべてが分かる」を読んで)

代謝学 ミトコンドリアが分かればすべてが分かる」を読みました。

代謝、生体内で生じる全ての化学変化とエネルギー変換のことと定義付けされていますが、実際生体内では何が起きてるのか気になるところだったので、本書を手に取り、内容をまとめてみました。

内容的には中級者レベルなので、読むのに苦労しましたが、ただ読んだだけでは知識は抜けていくので、見て思い出すためにも、メモとして残しておく。

 

植物と動物

細胞内の微小細胞として、葉緑体(クロロプラスト)を持つのが植物細胞、ミトコンドリアしか持たないのが動物細胞

どちらも強力なエネルギー産生装置になる。

葉緑体ミトコンドリアも、原始細胞が微生物を貪食して内部に取り込み、共生していると考えるのが妥当な形態をしている。

 

ミトコンドリアは以下のような形状をしている。

特に内膜とマトリックスミトコンドリアの機能を理解するうえで非常に重要。

 

生体のエネルギー通貨であるATPと、それを生成するための化学反応(解糖系→TCA回路→電子伝達系)

生体内でどのような反応が起きることで、我々動物は体を動かすことができるのかについては、以下のように書かれていた。

 

・生物が活動するためのエネルギーはATP(アデノシン3リン酸)という物質のリン酸結合に蓄えられ、3番目のリン酸基を切り離すことで、ATPはADP(アデノシン2リン酸)になり、その化学的なエネルギーを放出する。このエネルギーを使って筋の収縮が行われたりする。

 

・食事として体内に吸収された炭水化物は分解してグルコースになり、血液中を循環し、細胞内に取り込まれてからの代謝の流れを解糖系という。1個のグルコース分子から合計2個のATPが合成される。(グルコースからピルビン酸に至るまでの反応。ミトコンドリアに入る前)

 

ミトコンドリアマトリックスに入ったピルビン酸はピルビン酸デヒドロゲナーゼの触媒作用でアセチルCoAになる。アセチルCoAは硫黄原子を介するチオエステル結合を持ち、この結合は高エネルギー結合で、ATP合成に必要な反応の中間体。このアセチルCoAがオキザロ酢酸と結合してクエン酸となるところからTCA回路が始まる。(上の写真参照)

 

・TCA回路の脱水素反応の進行で、4か所のポイントでプロトン(H⁺)が基質の分子から奪われる。それがミトコンドリアの膜間腔に汲み出され、膜間腔のプロトン濃度が上昇する。(TCA回路の存在意義はココにある!!)

マトリックス側は膜管腔に比べ、負の電位となるイオン勾配を形成。そして、プロトンミトコンドリアマトリックス側へ向かう。

→その時にプロトンが内膜にあるATP合成酵素の中を流れる際にエネルギーに転換され、たんぱく質分子が回転して大量のATPが合成。(電子伝達系と呼ばれる反応)酸化的リン酸化

 

・動物が生きるために必要なATPを産生して供給できるのは、解糖系→TCA回路→電子伝達系と続く一連の化学反応以外にない。

 

解糖系→1分子のグルコースから2分子のATPが合成。

ミトコンドリア→1分子のグルコースから最大32個のATPが産生。

 

ミトコンドリアでは、同じ1分子のグルコースから解糖系のみの場合に比べて15倍前後のエネルギーを産み出す。

 

植物などの炭水化物を直接接種できない肉食動物はどうやってグルコースを得るか??

動物も体内で糖新生という糖以外の物質を材料にして、グルコースを合成できる。(植物などの炭水化物を直接接種できない肉食動物はこれで)

 

糖新生では酵素を使って解糖系を逆方向に進めることができたりするが、非酵素的に進行する過程があり、反応を逆行させることができないところがある。次の方法で解決。

 

(1)乳酸をピルビン酸に変え、ミトコンドリアマトリックスでオキザロ酢酸に変える。TCA回路を1つ逆回転させ、リンゴ酸に変えるとミトコンドリアの膜を通過できる。そして、オキザロ酢酸に戻る。オキザロ酢酸をホスホノエールピルビン酸まで戻せれば、解糖系を逆行してグルコースにまで戻せる。

 

(2)アミノ酸からアミノ基を外すと、炭水化物になってエネルギー代謝に利用できる。(TCA回路でリンゴ酸に変換でき、解糖系を逆行してグルコースになる。)

 

ちなみに糖新生が行われる臓器は肝臓と腎臓。肝臓は全身の血糖維持のためにグルコースを新しく合成。腎臓は夜間睡眠中は遠位尿細管でATPが必要で尿中に排出するナトリウムを再吸収し、血液の浸透圧が上昇して体内の水分を引き止め、結果として血液量が回復する。

 

総括

 

読んだ本のまとめ記事でした。

読書しても、内容殆ど忘れちゃうことが多いからさ、読書ノート的な感じでブログでまとめてみました。

 

体を動かすのに必要なエネルギーって何だろうっていうのが、この本でそこそこ分かりますね。

この生体内で起きるシステムは、何が起きることで歯車が狂うきっかけとなるのか。要するに健康を維持するためにも何が必要かっていうのがここから見えてくるのだろうとは思う。

解糖系で、ピルビン酸が嫌気状態(酸素が無い状態)の時は乳酸になり、ミトコンドリアに入らないが、ミトコンドリアで体を動かすのに必要なATPが最も産生していることからも、例えばマスクをしている状態で酸素が減ってしまうと、体へ良くない影響を与えてしまうことが想像できますね。

代謝を知ることで、何が人間にとって健康面で良い行動なのか、考えるきっかけにもなりそうです。